KYな雑記帳

個人的なメモ帳

CEDEC2015に参加してきました

CEDEC2015の三日目に参加してきました。
受けれたセッションは少ないですが、その感想を。

CECECとは?

CEDECとは、ゲーム会社一般法人が主催するゲーム開発者向けのカンファレンスです。
今年のCEDECに関しては以下のページを参照。cedec.cesa.or.jp

自分が参加したセッションは、以下の3つでした。

  • 「サマーレッスン」が誘う非現実のリアル(1) プロデュース編
  • 「サマーレッスン」が誘う非現実のリアル(2) テクニカル編
  • いまさら聞けないモバイルゲーム開発の基礎知識

「サマーレッスン」が誘う非現実のリアル(1) プロデュース編

サマーレッスンとは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使ったヴァーチャルリアリティ(VR)が体験できるデモです。
VRのデモというと、迫力・没入感のある景色を見たり体験したりするものが多いですが、サマーレッスンは女の子のキャラクターとのコミュニケーションをとれるVRデモです。
まぁ、実際に体験したわけではないので、はっきりとは言えないのですが。。。
このセッションの内容としては、「どのような目的で計画されたか」、「どのような障害を解決したか」、「VRの日本の問題、知見」の3つでした。

どのような目的で計画されたか

サマーレッスンのチームメンバーは、主に鉄拳チームのチームメンバーらしく、人体制御研究の一環と思われがちだったようです。
でも、実際のサマーレッスンの目的は、キャラクターをもっと好きになってもらう手段の模索、とのことでした。
キャラクターをもっと好きになってもらうために、「キャラクターとのコミュニケーション」を軸においたとのことでした。

どのような障害を解決したか

  • 小規模開発なので、どこにリソースを集中するのか?

小規模開発で、予算も微々たるものだったそうです。
そこで、SWOT分析をして、何を開発の主軸にするかを考えたとのことでした。
主軸には、「キャラとの近距離体験+インタラクション性 = VRでのキャラクターとのコミュニケーション」をおいたとのことでした。
そのために、キャラクターのプレジデンス(実在感)を大きくするために、キャラクターを接近させ、リアクションを取るようにした。
また、自分がそこにいる感覚(没入感)を高めるために、部屋を狭くし、視界の情報量を大きくしたとのことでした。

VRの日本の問題・知見

日本のゲーム業界はVRのコンテンツの先駆者になれるかどうか、と聞かれるとその答えは、無理。
日本のゲーム会社はVR分野のイノベーターにはなれない。なぜなら、かけている投資額がぜんぜん違う(5~6倍とのこと)し、作品数もぜんぜん違う。
VRはHMDを使う特性上、多くの人に同時多発液な盛り上がりができず、市場が未知数であり、一過性や飽きなどの不安で、偉い人の説得が難しい。
なので、企業の中で実績と影響力のある中間管理職の人達が積極的に動いていかなければならない、と熱く言っていました。

また、VRコンテンツを作るときは、「酔い」をなくすことが必要な条件とのことです。
そして、VRコンテンツの発展にはAI分野の発展が鍵になるとのことです。

感想

現在の日本のゲーム業界・VRの状況に対して、グーで殴るような熱く挑戦的なセッションでした。
主に大手企業に対して、VRに本腰を入れるように訴えかけているセッションだったかなと思います。
では中小企業はどのように動いていけるのか、と疑問かな。

「サマーレッスン」が誘う非現実のリアル(2) テクニカル編

このセッションでは、プランナー、ビジュアルワーク、アニメーション、エンジニアの部門でサマーレッスンを作る際の話でした。

プランナー編

サマーレッスンは、従来の映像デモとは違い、3Dのリアルタイムデモであるため、リアルタイムに動く空間を作らなければならなかった。
そこには、カメラワークの考えがなく、空間内の破綻のごまかしがきかない。
狙いや視野の想定ライン・誘導を絵コンテに記入、見取り図、空間コンテを用意したとのことです。
また、実装に移る前に、現実世界で、ものや背景の配置、キャラクターとユーザーの位置関係を演じる、読み合わせを行うことで、コンテンツの最適化、VRの魅力を引き出したとのことです。

ビジュアルワーク編

注力したのは、背景とキャラクターの2つとのことでした。
背景に関しては、狭い部屋、女の子らしい小物にこだわって、生活感を演出し、現実の説得力をましたとのことです。
キャラクターに関しては、2次元でも3次元でもなく、その中間2.8次元を目指してモデリングしていったとのことでした。
揺れものやクロスシミュレーションに苦労し、スカートがものやキャラクターを貫通することなく、上に乗った時は嬉しかった、とのことでした。

アニメーションワーク編

注力したのは、キャラクターのプレジデンス(実在感)とのことでした。
そのために、キャラクターが自ら思考していることを表現する必要があったとのことです。
その要素として、自然な視線追従、リアクションに取り組んだとのことです。
視線追従は、目線・顔・胸に少しディレイを加えつつ動かすことでリアリティを追求した。
リアクションは、Aimingの技術を応用し、差分アニメーションを使うことで不自然さを消していった。
振り返ると、今までの2段階上の動きのリアリティが必要だっと話していました。

エンジニア編

メインとなったのは、新しい開発体制、新しい開発環境とのことです。
新しい開発体制で問題になったのは、HMDは特性上、被らないと評価できないし、一度に体験できる人数が少ないので、レビューの方法を変えたとのことです。
朝にデモの準備をして、試遊・デモの空間を開放し、イテレーションを多く回すようにしたとのことでした。
新しい開発環境に対しては、HMDをかぶりながら開発をするために配置などを変えていったとのことでした。
UEのVRコンソールはHMDをかぶったままパラメータの調整ができて楽だった。
そして、未来のプログラマーな気分だったとのことでした。

感想

キャラクターがそこにいる感じのプレジデンスという一つの軸に注力し、バズるくらいの結果を出していましたl
HMDを扇風機につけて横回転のテストをしている動画で爆笑シてしまいました。
開発環境の工夫をしないたちなので、衝撃的でした。

いまさら聞けないモバイルゲーム開発の基礎知識

内容としては、モバイルゲーム開発に知っておいて欲しい知識、特に今までモバイルアプリを開発したことのない人たちが土台作りのための知識でした。
ハードウェアやシステムの動きを知ることで、プログラムがどのように動くのかを想像できるようになりましょう。
実行性能を初めから意識して設計・開発できるようになりましょう。
ボトルネックになりそうなところを見つけられるようになりましょう。
細かい段階で実機テストをしましょう。
パフォーマンスチューニングをしましょう。
と言った内容でした。

感想

エンジニア個人の感想としては、基礎知識を復習できていい機会だったという事と、
もう少し踏み込んだ、例えば、起きた問題やそこから得た知見の共有とかがあったら嬉しかったかな、と思いました。

おまけ

CEDEC会場で本が売っていたので、買いました。

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シミュレーションゲームは作ったことのなかったので、いい機会かなということで、シミュレーションゲームjavascriptで作っていく本。
先輩がおすすめしてくれた本の2冊を買いました。
オーバーロードを全巻読み終わったら読むかな。